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2008年06月05日
大阪なんば新歌舞伎座公演 [初日]
『そんなこたぁー役者がどうにかするからいーんだよっ』by Tomio

富美男企画 吉原です。
新歌舞伎座公演初日の朝。
心配されていた天候も、
皆様の想い、、念力?!が通じたのか、
何とか持ちこたえてくれました。

本日のなんばの空模様です。
初日の垂れ幕が下がった入場口。
明日以降、願わくばここに『満席御礼』の垂れ幕が1回でも多くかかる事と
『本日 千穐楽』とかかる事を指折り待ち望む日々。。。
(後者のほうがぶっちゃけ本音??笑)
リハ2日目。
この日はM様がこっちの方でファンの集いがあるという事で、、、
いつもより早く舞台稽古が終わった。
富美男氏は明日からの時間拘束を思えばきっとやりたいことはたくさんあるのだろう。
(本命◎ゴルフ・○パチンコ・▲買い物)
しかしそう思うのとは裏腹に・・・
正直、御飯時でもなく中途半端な時間にフリーになると、
土地勘に疎い我々は実際何をしたらよいものやら。。。
『シャバの空気が吸えるのも今の内なんだから好きな事したら良いじゃないですか?』
『何せ明日から軽〜いムショ暮らしの始まりのような物ですから。。。笑』
冗談でこんな話をし出すと、
急にVシネマの極道ものの役柄にスイッチが入ったかのように
眉間にしわを寄せ『そいじゃあ(刑を受けに)行ってくるぜぃ』と芝居がかったような台詞がでる。
するとそれに合わせるかのようにまわりの人も
『おやっさん、、おつとめごくろうさんです(と頭を下げる)』
こういった事は富美男氏と仕事している中ではごく普通にある事だ。
そういえばこんな話を聞いた事がある。
富美男氏が下積み時代の頃。
自分と同じ若い衆と酒を飲みに行くと、
その内のひとりが急に動物語(?)を話しだす。
確か千夜一夜物語って言ってたかなぁ?(確認しておきます)
例えば、、酒を飲みながら
富美男(=ウシさん)『ねぇカエルさん、最近の調子はどうなんだモぉ〜〜?』と隣の人に振ったとする。
すると振られた人はカエルになりきらなくてはいけない(ルール)。
『いやいや最近は水不足で困ってるんだゲコぉ』とか、、、
(↑例えが悪くて申し訳ないのですがニュアンスだけ感じ取って下さい)
そうやって役者をみがいたもんさ。
別にこういう遊びがすごいというのではないけど、
役者という生業は経験した事のないことでもさも知っているかのごとく演じなくてはいけない。
未成年の役者がまだ酒の味を知らなくとも呑む芝居が出来なければ役者とは呼べない。
その話を聞き、さっきのような遊びは頭の回転を訓練する意味ではアリだと思う。
役柄はその場その場で違うのだというからアドリブ感を養うのには最適かもしれない。
当然、周囲のお客さんからは不思議がられるかもしれないが、、、
でもそうやって役者同士で飲んだものだと懐かしそうに話していたっけな(笑)。
そんな話を聞いてか富美男企画に入社する前、舞台スタッフでツアーに同行していた頃。
仲間同士、地方で飲みに行くと大抵
『どこから来たの?』
『何の仕事しているの?』と社交辞令のように店の女の子に聞かれる。
(細かい事は詮索しないでね。。。汗)
そこで『梅沢〜の仕事してます』と答えると話が面倒臭くなるので、
ひとりが『do○om○だよ』と言い出す。
(日によっては『N○Cの営業なんだ、、、』とかetc...)
『実は新機種の何とか(適当にN906とかD505とか...)に不具合が見つかっちゃって大変なんですよね、、部長?』
(と仲間内で一番歳上の人に振る)
『そうなんだよなぁ〜。。明日、朝イチで店舗回りしてクレーム処理しに行かなくちゃならなくてさーーー』等と普通に会話を合わせる。
実際はそんなトラブル等はないのだろうけど、、、そうする事で仕事を明かす事を回避していた記憶がある。
その代わり、決してdo○om○とはまったく関係ない事を悟られてはいけない。
嘘つきーーと言われてしまえばそれまでだけど、、、まぁ若気の至りってゆうことで。。。
騙してどうこうしようとかそんなつもりは無かったけど、
ただ楽しかった思い出です。
(ごめんなさい話それちゃいましたね。。。)
今回、初日の幕が無事にとは言えなかったけど、、、
とりあえず降ろす事が出来ました。
大勢のお客様の御来場を賜り、
にもかかわらず。。。
富美男氏的には不本意だったようですがとりあえず夜の部も終演。
注:これ以降、ネタバレも含まれるのでこれから御来場の方はお読みにならないで下さい。
昼の部の舞踊ショーが始まり、
相舞踊を終えた富美男氏。
いつものように早支度をして座長と共に次の出番の為すっぽんに乗り込んだ後。
着物の裾を開いた花びらのようにいつも揃えるのですが、
『(着物の裾を)広げるな!』と怒鳴る声に驚いた。
あぁ御園座の件(過去blog参照)で今回は慎重になっているんだな!(と勝手な解釈)
『わかりました。それじゃあ全部寄せますよ』
着物の裾がぐちゃぐちゃ。。。
(これじゃあ登場したときの見栄えが悪いのになぁ〜。。。呟きブツブツ)
夕飯の席で後から話を聞くと
『(あのとき)何か嫌な予感がしたんだよ!』
『だから怒鳴っちまって、、悪かったなぁ。。。』
しかし、そんな嫌な予感も見事に的中してしまったのだから、、、本人も驚いている事でしょう。
俺も驚いた(笑)。
初日の舞台を昼夜ご覧になった方ならお気づきかもしれませんが、
実は昼の部の舞踊ショー途中ですっぽんと呼ばれる花道上にあるエレベーターのように上下する舞台機構が故障してしまったのです。
しかも富美男氏の嫌な予感の直後に。。。
すっぽんごときが故障したくらいで舞台進行を止める訳にはいかない。
それよりもお客さんに機械のトラブルのせいで満足のいかない舞台なんか見せられない。
過去のblogで『かっとびドライバーFさん』も絶賛していましたが、こういう時の梅沢劇団は本当に強い。
お客様はそれくらい何て事ないのでは?と思うかもしれませんが、実はこれは結構な一大事な訳でして。。。
何故なら最終の舞台通しリハーサルで出演者の出入りの動きや導線を走る時間を秒単位で体感して動きを把握しているのに
すっぽんが使えないが為に全ての動きや準備がイチから変わってくるのです。
事前にセットしてある衣装やかつら。。
次にどこに富美男氏がハケてくるかも読めない。。。
実際に一番大変なのは富美男氏で、
本当はすっぽんで華麗に登場する筈だった一本舞踊でも、
着物の裾をまくり、汗まみれで階段を猛ダッシュで駆け上がる。
そして音変わりの直前ギリで舞台に板付く。
『引っ込み(=ハケ)は何処になるかわかんねーーぞっっ!!!』
『もし(すっぽんの上を)通れそうなら花道へ引っ込むけど、ダメなら客席通って行くからそう伝えておけ!』
と言い切った辺りでドロップが飛んだ(幕が上に上がる)。
焦る気持ちを抑えてこんな時こそ冷静になる。
(なろうと自分に言い聞かせる)
脳に記憶させた動きを白紙に戻して次の動きをまさぐる。
花道の七三あたりで一度(すっぽんの)様子を見ているかのように静止した富美男氏。
客席で待機する俺、、
『う〜〜んどっちに行く???』
何より怖いのがすっぽんがただ動かないだけなのか?
それとも油圧の故障か何かで上に乗って万が一沈んでしまうようなら一大事だし。。。
原因が何なのか誰にも分かっていなかったのが怖かった。
この人には恐怖という感覚はないのか?
そう思えるくらいこんな状況下でも冷静だった。
結局、鳥屋口に引っ込んだ富美男氏は自らすっぽんの上に乗り、
少し浮いてはいたけど上に乗っても問題が無かったことを確認していた。
自分以外の(出演者の)動きも全て頭に入っているため、
『次、兄さんと若手が通るからすっぽんとこの段差に気をつけるように伝えてこいっっ!!!』
男性座員へ伝えに行き、M様にも伝えに行こうとしたとき、
『兄さーーん、すっぽんのとこにこれ位の段差があって(以下省略)』
と着替えを終えて本人自ら伝えに来ていた。。。(速っっ!!!)
そんなこんなで一部不自然な場面もあったでしょうけど、
今日が初日の舞台という事もあって昼夜ご覧になった方以外には
『こういう内容だった』と何事もなかったように楽しんで頂けたに違いない。
いやそう思いたい。
お客様より見えないところで尽力した皆様に敬意を払いたい。
終演後、
劇場関係者が富美男氏の元へ訪れたそうです。
『(劇場の機械に不備があり)誠に申し訳ございませんでした』
との言葉に富美男氏は
『そんなこたぁー役者がどうにかするからいーんだよっ』
一応、幕は降ろしたが舞台では完璧を求める富美男氏にはしこりが残っていたらしく苛ついていたのだろう。
言葉荒げに言っていたそうだ。
しかし別に劇場に文句を言った訳ではなく、
何があろうともひとたび幕が上がればそれに対処するのが役者の努めという事が言いたかったんだと思う。
確かに幕があがってしまえば制作やスタッフは演者さん達をサポートする事は出来ても、
舞台を進行する事は不可能だ。
だから『どうにかするから良いのだ』という言葉にも頷ける。
実際どうにかしてしまったのだから。。。
過去の記憶で今から10年くらい前だっただろうか?
(トラブルがあった時程記憶が鮮明なのだから嫌なもんだ。。。)
大阪で大雪が降った時の吹田公演。
交通網が完全にマヒしてしまい、
前日の公演先より夜な夜な走り続けたトランポが高速道路上でとうとう立ち往生。
幸い少し早くに出発していた劇団は何とか会場に到着していた。
しかし音響照明をはじめとする舞台機材はない。
(あるのは会場にある不慣れな機材のみ)
バンドさんの楽器も無い。
それより衣装・かつらがなければ話にならない。
とっさに富美男氏は
『関西の陸上交通がマヒしているだけだろ?』
『空は?』
東京の事務所に電話をかけ、
『羽田から伊丹へ飛行機は飛んでるのか?』
『飛んでたら今すぐ飛行機でかつらと着物をありったけ持ってこい』
楽器も近くの楽器店でレンタルの手配。
会場付きのスタッフさんが当時大阪のホームだった中座付きであったことも幸いだった。
だいたいの照明を劇団の仕様に仕込んでおいてくれたのだ。
お芝居も急遽、以前名古屋で公演した楽屋での話を題材にした富美男氏の現代劇『一人芝居』を更にアレンジ。
これなら楽屋にある道具でセットを飾れるからだ。。。
定刻開演に遅れる事30分程。。。
梅沢武生劇団の王道3部構成。
お芝居・歌謡ショー・舞踊ショーを完全とは言えなかったが、ほぼやってのけてしまった。
チケットはほぼ完売していたそうだ。
お客さんですら観に来れない方も大勢いらっしゃった位なのに。。。
スタンディングオベーション?
大歓声と拍手の中で幕を閉じた。
終演後のロビーでは苦情を恐れたけど、
それどころか
『よく中止にしないでやってくれたね』
『やるかどうか不安だったけどこの雪の中来て良かったよ』
やっぱり大阪の人達は温かい。
だからこそ役者がどうにかしてしまえたのかもしれない。
明日はある意味で初日の舞台になりそうだ。
今日は夜中を徹してでも修理が行なわれるでしょう。
明日の舞台、、、すっぽんの最初の出はM様になるのかな?
そうでなかった場合は。。。
まぁ明日は明日の風が吹くでしょう。
どんな状況になろうともお客様のご期待を裏切るような事だけはしない。
それが舞台役者。
原点のスタッフTシャツにも刻まれている梅沢魂。
明日の舞台に乞うご期待☆≡

次回の公演がお正月公演の1月に決定いたしました。
新歌舞伎座が来年6月で閉館となってしまう為、
現在の場所、ミナミで最後の公演となります。
詳細はこちら
投稿者 K.Yoshihara : 2008年06月05日 02:02
コメント
新歌舞伎座初日お疲れ様でしたm(__)mお疲れなのに日記更新ありがとうございます☆
表舞台が華やかなだけにただでさえ舞台裏の役者さんスタッフさんの苦労はかなりのものだと捉えておりますが本日の内容を拝見しますとそれをも越える忙しさだったみたいですね…以前のトラブルの際の事も含めそんなトラブルには動じない【梅沢魂(役者魂)】はさすがです!!
とゆうか副座長さんの様子からしたら『当たり前』なのでしょうね。^^。
ですから全国のファンの方が競い合ってチケットを手に入れ足を運んでくださるんですね☆^^☆
まだ先は長いので梅沢劇団の皆様お体ご自愛で★
投稿者 瞳 : 2008年06月05日 03:45
